最期の往復書簡。

最期の往復書簡。

人が人を愛し尊敬しあう。
言葉や宗教が違っても国と国が尊重しあえる。
平和ってこんなことでとても簡単なことなのに今も争いが絶えない、悲しいことです。

橋間隆子さんが出版された本「最期の往復書簡」を読ませてもらいました。

unnamed 9.43.05

昭和19年に戦死したお義兄様とお姉様の往復書簡を編集し、世界の平和を願って出版された一冊です。

海軍航空隊基地に出立したお義兄様と当時18歳だったお姉様の間には小さな命が芽生えていました。
生まれてくる子どもの顔を見ることなく星になってしまったお義兄様。
どれだけ生きたかったことか… どれだけ我が子を抱きたかっただろう….と、その気持ちを考えると胸が張り裂けそうになります。

奉国の徒。
お国のために命を捧げる。私が当時を生きていたなら受け入れることができただろうか?
非国民と言われても「逃げてください」と言ってしまっていたかもしれません。想像だにできない。
お姉様はご主人様を書簡で支え続け一人でご出産されて一人で育てられた。
戦場で戦うご主人様に届けたい労いの気持ちや妻としての温もりを、見事に文章で届けられていました。その愛の深さは同じ女性として見習わなくてはと思えるほどです。
赤ちゃんの成長を楽しみにしているご主人様への胎動の報告は可愛らしく、読み手は幸せな気分になっていたことでしょう。

まるで日々の会話のようにやり取りしていた夫婦の往復書簡は100通。
妻の大切な手紙を無くさぬように、お義兄様は送られてきた手紙を毎回つけて返信されていたそうです。
時を経て妹の隆子さんが往復書簡を編集し、悲しい運命をたどったご夫婦の当時の想いが再現できたのです。永遠に残る書籍となって。

2年前に広島県呉市の大和ミュージアムに行きました。
戦艦大和と共に海に散った若者達の家族に宛てた手紙のコーナーがあります。
読んでいるうちに涙が溢れ、字が読めなくなるほど泣いたのを思い出しました。
多くの命を犠牲にして私たちの「今」があります。
戦争を二度と起こしてはならないと心から思う。

マザーテレサは「「世界平和のためにできる事とは、まず家に帰って家族を愛してあげること」という言葉を残しています。
家族を愛すると、その家族の幸せを願う。愛に溢れた家族は周りの人の幸せを願う。
幸せの中に争いなどないはずですから。

橋間隆子さんはムーヴ・ライク・フローイングのゼネラルマネージャー誠医師のお母様です。
愛に溢れた素敵な本を読ませていただいたことを心から感謝いたします。

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