肩こりに関心を持ち始めた29歳の新米整形外科医は、肩こりの文献を集めたり先輩医師に肩こりの発生メカニズムについて質問したりし始めたのでした。
こんなに罹患率の高い肩こりとは何か?医学的にどう解釈されているのか?
その疑問に納得できる答えを知りたかったのです。
しかし、なるほどと思える答えは集めることができませんでした。
筋肉の挫傷?
肩結合織炎?
神経血管束が脂肪組織で圧迫?
不良姿勢によるもの?
高血圧によるもの?
頚椎椎間板ヘルニア?
何かわかったような、わからないような霧が頭の中を埋めていくだけです。
確実に言えるのは、多くの整形外科医は肩こりにさほど興味がないってことでした。
もうその辺で肩こりに執着するのはやめるという選択もありましたが、人がしないことをやりたい性格が、とことん突き詰めていく道を選んでいました。気がつけば周囲の反対を押し切って、フィットネススタジオを併設したクリニックまでつくっていました。
肩こりに悩む自分の組織を私に提供してくれると言ってくれた看護師さんに「きっと肩こりの専門家になる」と宣言したことを、その人が覚えているかは定かではありませんが、今もその志はまだ熱く残っています。
あれから20年、知識ははるかに増えて肩こりのメカニズムはかなり真実に迫ってきた感があります。その答えに近づくごとに感じるゾクッとした興奮が肩こりへの興味を繋ぎ止めてきたのかもしれません。
原因は単純でなく複雑だが姿勢と筋肉の使い方がかなり関わっています。
EBM (evidence-based medicine)、根拠に基づく医療が叫ばれる現在で、一つ一つno evidenceの私の考えを披露していくので興味のある方限定で乞うご期待。
できれば未来の有望な医師によるevidenceの実証も期待しつつ。
to be continued
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