先日、父の87回目の誕生日会を自宅近くの中華料理店で行いました。
私の姉たちと姪や甥たち含めて14人が集まり、父も満面の笑みで楽しんでいました。
男性で87歳まで日常生活が自立できているのは医師から見ても幸運でありますが、糖尿病をはじめ様々な疾患を抱えています。
甥、姪の中で一番年長の甥は今年の4月から岡山県の川崎医科大学医学部附属病院の内科に入局し研修医として糖尿病の勉強をしています。
今や日本人の4人に1人が糖尿病、もしくは予備群に入ると言われています。
つまり一家族に1人は糖尿病になってしまう計算です。
日本人の糖尿病の95%は2型糖尿病と呼ばれ、一部遺伝もありますがほとんどの原因は
「運動不足、過食」
です。
20万年前に誕生した人類の闘いの相手は「飢え」でした。
そのため、私たちのカラダを制御する多くのホルモンは血糖値を上げる作用を有しています。
取り込んだ貴重な糖分を体外に出さず、エネルギーとして使い切るためです。
正常なヒトの尿には糖分は全く存在しませんよね。
腎臓が信じられないくらいの精度で糖をカラダに取り込んでいるからです。
しかし、この70年くらいの間に私たちの食生活は大きく変化してしまいました。
200,000年の間の糖質不足のあと
直近70年、糖質に溢れた毎日。
この短期間の「食生活の激変」に健康が損なわれないわけがないですよね。
遺伝的素因が日本人と変わらないはずの日系2世アメリカ人で、アメリカの白人と比べると数倍以上の差で糖尿病が多いという事実から、 日本人は糖尿病になりやすいことがわかります。
私たちの祖父母が食していたものとは比べものにならない果物の甘さ。
かつてはビタミン摂取のため健康に不可欠な果物が今では過剰な摂取で糖尿病の原因となる。
こんな糖質過剰時代に突入しても、悲しいことに私たちのカラダは糖質を蓄えようと働きます。
これから育つ若い糖尿病専門医たちの仕事は、ますます多忙になっていくでしょう。
私の甥への送る言葉は、
「くれぐれも過労死しないように」
でした。
どんなに薬が進化しても
食事、運動療法
による治療は医療からなくなることはありません。
糖質は適度な制限を。
米で表すと朝、昼はお茶碗半膳の米を摂取すること。夜はおかず中心に。
腎機能が正常な人は、おなかが空いたら、ゆで卵、ナッツ類など糖質の少ないものをとりましょう。
これに有酸素運動を加えれば、将来の糖尿病を予防し、すでに糖尿病の方はどんどんお薬を減らすことができるでしょう。
孫たちの成長を心から喜ぶ両親をみていると
「いきいきとした生活がいつまでも続いて欲しい」と願ってしまいます。