最新の骨粗鬆症治療薬の効果の分析結果を東京のホテルニューオータニで拝聴してきました。
人生が60年という時代には骨粗鬆症の薬物治療なんて必要なかったはずです。
それは骨密度が50歳から減少し65歳ごろに発症するからです。
寿命の延長で脳梗塞が私たち日本人の寝たきりの最大の原因とされてきた時代は徐々に変化しています。
骨粗鬆症が私たちの健康寿命を短くさせる時代になったのです。
今や日本人の人生は90歳と言われています。
65歳で発症した骨粗鬆症は毎年私たちの骨の硬さを3%ずつ減少させ、70歳を過ぎると成人の骨の硬さの半分となり、ほんの少しのケガで骨折を繰り返します。
注意すべきことは骨粗鬆症の原因です。
整形外科の診察をしていると、カルシウムをきちんと摂取している人も骨粗鬆症になっていることに気づきます。
50歳を超えて閉経した女性は摂取したカルシウムが腸から吸収されず便に排出されるのです。
さらに追い討ちをかけて、骨に貯蔵されてるカルシウムは毎日尿に排出されます。
世界中の研究者が食事、運動療法では骨粗鬆症は予防できないことを発表しています。
ただし、そこに薬物治療を加えると多くの人の骨粗鬆症の進行は止まり、一部の人は回復します。
統計では、日本で尻もちで太ももの骨折を起こす人は1日に500人。
その500人ほぼ全員が金属で骨折部をつなぎとめる手術を受けています。
私もかつて毎日毎日その手術に明け暮れていました。
しかし、その骨折が原因で3人に1人は寝たきりに。
12年前、私は『患者さんの健康寿命を伸ばしたい』、その願いでフィットネス併設型のクリニックを開業しました。
クリニックでは骨の老化を放置することの怖さを患者さんに説明し治療を行い、2階、3階のフィットネススタジオで筋力を強化する。
人生の最後10年の間に骨折の手術を何度も繰り返す。これが世界トップレベルの寿命を保つ今の日本の現実です。
一度の人生、憂い悲しむのではなく真っ向から私たちの取り組みに参加してみませんか?
人生の最後まで自分の足で歩き続ける。
これにはバイオメカニクスを駆使したコツと一歩を踏みだす情熱が必要です。