いち、にー、さん。

いち、にー、さん。

12月3日、いち にー さん。娘の22歳のお誕生日です。
ちょうど8年前に書いた娘へのお誕生日メッセージを公開させてもらいます。
思春期が長くて… 成人した今でも衝突ばかりするんだけど、私にはかけがいのない大切な娘。
誰よりも幸せになってもらいたいと心から願います。

 

~14歳の貴女へ~ mixi日記(2007.12・3)

14年前の12月3日、あなたは私の娘としてこの世に生まれました。
12月3日になったばかりの夜中、お母さんは大きな荷物を抱え、たった一人で病院に行きました。お父さんはゴルフ旅行で不在だった。
『誰も頼れないし、仕方ないな…病院に行くとするか』
初産だったのに落ち着いていられたのは、きっとお腹の中のあなたがいたからだと思います。

「ポンちゃん」

胎児時代のあなたの名前です。
4ヶ月のあなたを超音波で見たとき、何故かお腹の中で「ポンッ」と飛んだの、びっくりしたわ。お医者様も「なんとまぁ、元気な赤ちゃんでしょう」笑っていました。

軽い陣痛と戦いながら、しらじら明けていく空を見つめていた陣痛室で「もうすぐポンちゃんに会える」この想いだけが、これから出産に立ち向かうお母さんのエネルギーになっていたと思う。
12月3日の昼過ぎ、急に陣痛が強まる。いよいよ分娩室に移ることに……
助産婦さんが「今の陣痛が終わったら分娩室まで走って」と言った。
え?うそ、無理…こんなに痛いのに無理やわ。
汗だくになりながら「そんなこと出来ないかも」と答える。
でも不思議ね~陣痛が最高潮に達していても、陣痛と陣痛の間は、何もなかったように痛みが消えるのよ。
「あ、陣痛消えました。走ります」
嘘みたいでしょう?でも、本当に走れたのよね。火事場の馬鹿力?笑
分娩室に入るとインターンの子たち数名が、お母さんの分娩台を取り囲んだわ。
助産婦さんがインターンの子に分娩の状況を説明している。
恥ずかしいけど、痛い・・・恥ずかしいなんて言うてられへん。

助産婦さんの声がかすかに聞こえた
「こんな静かな初産婦さんは珍しいよ。もっと痛いとか助けて~とか叫ぶものなの」 

苦しくて、もうダメ…と思った瞬間、大きな産声が分娩室に響いた。

12月3日13時28分!あなたがこの世に生まれた時間。

お母さんね、誰かの手を握っていたの。
そう…看護師の女の子の手を、ずっとずっと握っていた。
その女の子の手が真っ赤になっていたから「ごめんね、痛かったでしょう?」と言うと、その看護師の女の子は「大丈夫です。感動しました」ってポロポロ泣き出した。
その子の涙を見て、お母さん一気に涙腺が緩んだのをはっきり覚えています。
たった一人で病院に乗り込んで、たった一人で陣痛に耐えて、たった一人で産んだ。
落ち着いているって思っていたけど、きっと緊張していたんだな。

ストレッチャーで病室まで運ばれる時、おばあちゃんが駆けつけてきたわ。
看護師さんから「元気な女の子を出産されましたよ」って聞いて「有難うございました」って、おばあちゃん泣いちゃった。

ゴルフが終わったお父さんが病院に来れたのは20時過ぎ。
赤ちゃんの面会時間が終わっているのに、あなたを取り上げてくれた助産婦さんが新生児室からあなたを連れてきて、そっとお父さんに抱かせた。新米パパ…ぎこちなく抱っこしたお父さんの姿、忘れることができません。

14歳のあなたは思春期真っ盛り。
自分の体調の変化に苦しんだり、心の葛藤がある時期だと思います。
青春時代って輝かしいばかりでなく、時に辛いこともあるでしょう。

でもね、たくさんの人に見守られてこの世に生まれた、たくさんの人があなたの誕生を祝福した、たくさんの人が変わらず見守ってくれている、どこかであなたが感じて苦境を乗り越える時の力になると信じています。

14歳のお誕生日おめでとう。

anna

2歳の娘。家族で公園に行った時に何気なく撮影した写真ですが、夕焼けをバックに主人と娘のいい写真が撮れました。宝物です!

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あれから8年たって22歳になった娘。
子育ては親育てというけど本当にその通りだと感じる今日この頃。
母になったお陰で成長させてもらったと思います。
私の娘として生まれてくれてありがとう

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