私は29歳の頃、大学病院から民間の総合病院へ赴任することになりました。
大学病院では様々な科の研修と大学院での研究生活を送っていましたので、整形外科医として毎日どっぷり外来診察と検査、手術をする生活は初めての経験でした。
その時驚いた事実は、連日肩こりの患者さんがたくさん診察に来られることでした。私は肩こりを経験したことがないため肩こりの患者さんの苦しみはリアルに感じられませんでした。先輩医師がしているようにトリガーポイント注射(コリきったポイントに鎮痛剤を注入する)をして湿布を出す、これをひたすら繰り返してきました。
その当時、新米医師の私に親切に病院の仕事のノウハウを教えてくれた看護師さんがいました。その看護師さんは私と年齢は変わらなかったのですが、ひどい肩こりの持ち主で「肩こりの研究して私の肩こりを治してくれるんやったらモルモット代わりに肩の組織提供してあげるよ」っと私に言ってくれたのを覚えています。肩こりでこんなにたくさんの人が苦しんでいることを初めて知った瞬間でした。
この言葉が自分の人生のベクトルを僅かに屈曲させたということは、その新米整形外科医は知る由もありませんでした。
to be continued かも
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