~ 復習も兼ねて、メタボリックシンドロームとは? ~
糖尿病や高血圧症や肥満症などの生活習慣病は、それぞれの病気が別々に進行するわけではありません。お腹のまわりの内臓に脂肪が蓄積した『内臓脂肪型肥満』が大きく関わっています。太ももやお尻などの皮下に脂肪がたまる『皮下脂肪型肥満』とは関係ありません。
では、どの程度の肥満を『内臓脂肪型肥満』と呼ぶのでしょうか?
『内臓脂肪型肥満』診断基準は以下の通りです。
⦿ 臍位ウェスト周囲長 男性85cm以上 女性95cm以上
⦿ CTスキャンによる内臓脂肪面積 100㎠以上
そして内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、『メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)』といいます。
つまり、『メタボリックシンドローム』診断基準は以下の通りです。
⦿ 内臓脂肪型肥満であること
⦿ 下記の2つ以上の項目があてはまること
▲中性脂肪 150mg/dl以上 HDLコレステロール 40mg/dl未満 のいずれか、または両方(興味深いことに、LDLコレステロールは関係ありません!)
▲収縮期血圧 130mmHg以上 拡張期血圧 85mmHg以上 のいずれか、または両方(高血圧と診断される「最高(収縮期)血圧140mmHg以上/最低(拡張期)血圧90mmHg以上」より低めの数値です!)
▲空腹時血糖 110mg/dl以上(糖尿病と診断される「空腹時血糖値126mg/dl以上」より低めの数値です!)
内臓脂肪が過剰になると、糖尿病や高血圧症、高脂血症といった生活習慣病を患いやすくなります。しかも、「血糖値がチョット高い」「血圧がチョット高い」といった、まだ病気とは診断されない予備群でも、動脈硬化が急速に進行します。
動脈硬化が進行すると…。
日本人の三大死因は、がん、心臓病、脳卒中ですが、そのうち心臓病と脳卒中は、動脈硬化が原因となる病気です。つまり、動脈硬化が進行すると、命に係わる心臓病や脳卒中になる可能性大ということです!
メタボリックシンドロームが原因で起こる疾病発症の危険度は、危険因子(肥満・高血糖・高血圧・高脂血症)の数と大きく関わっています。危険因子の数が多くなるほど危険度は高まります。
例えば心臓病の場合、危険因子がない人の危険度を1とすると、危険因子を1つもっている場合は5.1倍、2つもっている場合は5.8倍、3~4個もっている場合では危険度は加速度的に増え、なんと35.8倍にもなってしまいます。
メタボリックシンドロームは、国民をこんな恐怖に陥れるのです。だから国は平成20年(2008年)度から、医療保険者を対象にメタボリックシンドロームを徹底的にあぶり出す健診・保健指導実施を義務付けたわけです。
まとめです。
メタボリックシンドローム対策のキーワードは『内臓脂肪型肥満』です。内臓脂肪を溜めないようにすれば、命に係わる心臓病と脳卒中を患いにくいということです。そして、この脂肪は生活習慣を改善することで、皮下脂肪よりも簡単に減らすことができます。
アンチエイジングには、柔軟性・筋力・心肺能力の維持・向上が大切です。無理なく続けましょう。
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