お客様にメディカルフィットネスというものを理解してもらうということですね。最初お客様の反応を見ていると「この後、10年したら歩けなくなるかもしれません」とお伝えしたら、「ダイエット機具など使ったり、たくさん歩いておけばいいんでしょう?」というような感じで反応が返ってきてました。実はそうでなく日常生活をする時に本来使うべき筋肉を使わず違う筋肉で動くクセができること私たちの関節や背骨は変形していきます。ただやみくもにトレーニングするのではなくどの正しい筋肉で動くことが大事なのです。
正しい筋肉で動けなくなった原因は、一部の筋肉が弱っていたり固くなっているためですが、そこを理解してもらった上でストレッチの仕方・筋肉の鍛え方を知り、痛みが無くなってきたことを実感してもらえると、永く続けて頂けます。だた、お客様側からすると、1回1回にお金がかかっているので、短期間で結果が出ないとやめられてしまうということもあります。それを納得、理解して頂くことに苦労しました。
だからこそ、トレーナーには非常に重要な役割があります。当初トレーナーというのはいろんなトレーニングの知識と技術を持っている方がいいと考えていましたが、必ずしもそうではなく一番重要なのは、そのお客様が「何を不安に思ってフィットネスクラブに来たのか?」という事を理解してあげる気持ちだと感じています。不安がどこにあるのかということを見抜いてあげる、そして、それを解消しましょうということでトレーニングをすることが重要です。
お金を払ってでも体を鍛えようと思った人には、その動機が必ずある。 「膝が痛くなって親戚が寝たきりになって不安を感じた」とか、「若い頃は痩せる体質だったのに急に体重が増えて自信がなくなった」「身近な人が手術になって歩けなくなった」ということや、「親が介護を受けるようになってそれを支えてあげないといけない」など、何か不安があって来られているので、それをくみ取り不安の解消に対してアドバイスをする。
マニュアル通りの体育の先生的指導では通用しない、ただ健康のためだけに頑張りましょうというだけではお客さんはついてきてくれないのです。
そうですね、今でもクリニックの方ではだんだん歩けなくなった方に手術をお勧めしたりしているのですが、そういう方がフィットネスで、すごく楽しそうに笑顔で運動されているのを見たときは、とても嬉しい気持ちになりますね。それこそ別人のような感じで、この人ってこんな楽しそうに運動が出来るのだ!体を動かせるのだ!とギャップを感じることがありとても嬉しいです。それを見られるのはクリニックとフィットネスを一緒の場所で行っているこの施設ならではですね。
あと、トレーナーと私の間でカルテ以外に共有のファイルがあって、患者さんが今どのような状況かということを院内のネットを使ってクリニックとスタジオをコンピューターでつないでいます。例えば、風邪ひいているんだなぁとか、どこに痛みがあるのか?ということをファイルに書き込みあいながら共有することができます。治療以外にもペットのワンちゃんが亡くなって落ち込んでおられるなど、患者さんの背景がリアルに伝わり双方で適切なフォローアップが行えます。お客様ひとりひとりに真摯に向き合える状況になったことが良かったと感じます。一般的に手術をされた後の方はフィットネスに通われる時に不安を感じます。そして、フィットネスのトレーナー側も医学的な情報なしにアドバイスするのはとても不安があります。それを、どのような手術を受けたのか、何に注意がいるのかを直接ドクターに聞けるメディカルフィットネスのムーヴ・ライク・フローイングのメリットは大きいですね。
はい。私が皆様にお伝えしたい事は、体の関節や背骨の病気というのは自分の癖みたいな動作、例えば歩き方や立ち座りで正しい筋肉を使わずに動いていることでどんどん変形していくということ。そして、その癖はすべての人で違うため、いろんな知識や技術をもった特殊なトレーナーでないと見抜くことができません。
パーソナルトレーナーというのは無意識で行われるその動作、代償動作(だいしょうどうさ)というのですが、それを見抜いて癖を直し、関節や背骨の老化を防いでくれます。それは年齢に関係ありません。たとえ70歳や80歳でもです。ただし、それには1対1のパーソナルトレーニングでなければ難しいと思います。是非一度実感していただければ納得していただけると思います。 癖を直すトレーニングは早ければ早い方が変形を未然に防げます。10代の子供さんから受けることができるので相談に来ていただいたらいいと思います。
橋間院長、ありがとうございました。
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