国内の最新の論文を紐解くと、立った状態で10本の足ゆび全てを床に接地できている幼児はおよそ20%。残り8割の幼児は「浮きゆび」と呼ばれる小ゆびや薬ゆびが床から浮いているのです。
足ゆびを動かす足の内在筋が体幹のインナーマッスルと協調している ことを考えると現在の幼児の8割は体幹の筋力の発育が不十分である可能性があります。
以前より幼児期の不良姿勢と整形外科疾患の関連性について関心があったため幼稚園でのセミナーをお引き受けすることになりました。
はい、10年間メディカルフィットネスを整形外科クリニックの同じ施設内で治療の一環として行ってきました。
10年間メディカルフィットネスを行って経験で学んだことがあります。
トレーニングで一次的に見かけ上の姿勢の改善は可能ですが長年習慣化した姿勢を変えるのは困難だということです。
クリニックを受診する子供たちを診ていると、小学生がすでに外反母趾になっていたり、健診で側弯症を疑われる子供たちが多く来院します。
これらのほとんどが小児期の不良姿勢からくるもので、背骨や関節の変形を予防するには大脳の姿勢中枢で記憶される前に修正することが重要です。
今、現在不良姿勢が不可逆的になるのは6歳頃と考えています。
その根拠の一つは私たちの大腿骨の捻れの発達成長に関係しています。
大腿骨は出生時内股に捻れています。その後約6年間かけて正常の成人の状態に向け外股方向に捻れて成長します。
内股や外股になった小児はそれをカバーするため骨盤、膝などで代償し全身に不良姿勢が拡がっていくのです。そのため、6歳までの生活習慣は一生を左右する可能性があるため注意が必要です。
特に幼児期に内股座りや腰を丸めてあぐらをかく習慣をつけるのは危険です。
以前より幼児期の不良姿勢と整形外科疾患の関連性について関心があったため幼稚園でのセミナーをお引き受けすることになりました。
中高年になって生じる整形外科疾患と大きく関わるのは幼児期の腰のそりです。
腰椎のそりが少ないと早ければ10歳代から椎間板の変性(老化)が始まりやがては腰骨の変形が生じます。
腰のそり過ぎも同じように変形を生じる原因となるため、適度な腰のそりを幼児期に学び、体幹のインナーマッスルでその適度なそりを維持することが重要です。
この質問に答えるには、さらにバイオメカニクスの研究が進み確実なエヴィデンスが証明されることが必要です。
私たちの経験で説明すると、足の小ゆびで床を踏みしめると股関節をまたぐ外側や後方の筋肉(臀筋、梨状筋など)、親ゆびで床を踏みしめると股関節をまたぐ内側の筋肉(恥骨筋や内転筋など)が収縮します。全ての足ゆびで床を踏みしめると体幹のインナーマッスルの一つの骨盤底筋群に力が入りやすくなります。
そうなんです。ほとんどの人はかかとに荷重がかたより全ての足ゆびを踏みしめる習慣がありません。幼児のうちにかかと荷重の習慣を直し足ゆびの筋力を強化することで股関節まわりと体幹のインナーマッスルが鍛えられることが期待できます。
このしくみをまず保育士の先生に理解してもらうのが今回のセミナーの目的です。
最終的にはご父兄にも協力してもらい幼児の姿勢の指導を園内だけでなくご家庭でも行ってもらう予定です。
幼児の姿勢の指導の重要性がわかりました。
橋間先生、わかりやすい説明をありがとうございました。
第1回セミナー 2016.7.21 (木)
講 義:足ゆびの筋力と体幹筋力との関連について。
幼児期の体幹筋力向上による健康面でのメリット(橋間 医師)
実 技 :足ゆびの正しい使い方と正しい座り方、立ち方。
保育士に足ゆびの力が体幹につながっていることを体験(南方 トレーナー)
カテゴリー: Move Like Flowing コラム